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i-mode はデジタルデバイドを助長する?

前回の記事に対する ced さんの「はてブ」コメントはなかなか考えさせられます。 以下に内容を挙げます。

「メーカーやキャリアからすれば成功だったと思います。i-modeが失敗だったのは、ユーザー側がPCではなくi-modeに特化したリテラシを習得してしまったことにあるのではないかと思います。i-modeがデジタルデバイドを助長、と」

i-mode がパソコン・ユーザとケータイ・ユーザとの間にある格差を助長しているというのは納得できるものがあります。 ただそれが本当に失敗と言えるかどうかは疑問です。

この手の話で思い出すのはこの記事。

以前にも書いたことですが, ケータイ端末のことを UE (User Equipment)とは本当によく言ったもので, ケータイによるコミュニケーションはユーザにダイレクトに繋がってしまうのが(せいぜい「デスクトップ」までしか届かない)パソコン/インターネットによるコミュニケーションとの決定的な違いでしょう。 そしてその点がパソコン・ユーザから見てケータイ・ユーザが異質に見えてしまう原因じゃないかと思います。 例えば風野春樹さんによる「ぱど厨になってみる」なんかはパソコン・ユーザの視点から見る「ケータイ・ユーザ」的なコミュニケーションの異質さを上手く捉えています。 (「ぱど厨」とは何ぞや,という話はとりあえず脇において)

インターネット, 特に Web 2.0 はユーザ同士のコミュニケーションの場を提供しますが, ツール・サービス自体はユーザにダイレクトに入ってくることはありません。 もしそんなことをすれば「プライバシーの侵害だ!」との批判に晒されることになるでしょう。 パソコン・インターネットが「End to End」のネットワークだというのなら, ケータイ・ i-mode は「Man to Man」のネットワークなのかもしれません (まぁ実際には i-mode はあまりにも企業主導で Web 1.0 的になりすぎてしまっているため, 本当に「Man to Man」ネットワークと言えるかどうかは疑問ですが)。 こう考えると「パソコン・ユーザとケータイ・ユーザとの間に格差があることに何か問題があるのか?」と考えてしまいます。 両者の間に容易ならざるギャップがあることは確かですが, どちらが優でどちらが劣というものではないと思います。

かつての PDA も最近の W-ZERO3 などのスマートフォンも所詮はデスクトップの延長に過ぎません。 パソコン・ユーザから見てそういったものは魅力的に映るかもしれませんが, ケータイ・ユーザから見るとどうなのか。 私はパソコンとケータイの両方を使いますが, (本能では欲しいと叫びつつも)結局 W-ZERO3[es] を導入することはありませんでした。 スマートフォンではパソコンともケータイとも置き換えられないからです。 (似たような理由で私は Skype にもあまり魅力を感じません。 それがデスクトップにある限り機能上は昔の固定電話と大差ないからです。 折角ケータイによって「場所」の縛りから解放されたのに何故また昔に逆戻りしようとするのか)

もっとも iPhone やそれに続く製品群が既存のどれでもない新しい「文化」を創る可能性はあります。 そうなったらいいな, とは思いますが。 それはきっと硬直したケータイ市場からは絶対に生まれてこないものだと確信します。 多分, おそらく...