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「わたしのANDROIDくん」♪

久しぶりに「こういう仕事してみたいなぁ」と思うものが登場した。

これの何が面白いかというと、 Google がぶち上げたということではなく、 オープンソースで Linux ベースであるということでもなく(いや、関連はあるけど)、 携帯端末分野における Wikinomics へのトリガーになる可能性があるからだ。

今のケータイは、 喩えるなら「パソコン」登場以前の「マイコン」であり、 (Linux 台頭以前の) UNIX 抗争時代のワークステーションだ。 「Android」はそんな状況を変えるかもしれない。 まだ「希望的観測」レベルであるが、 「Android」の登場は以下に示す2つの変化をもたらす可能性がある。

ひとつは、 最初に書いたように、 Wikinomics な開発スタイルへの移行だ。 おそらく Google も直接的にはそれを狙っている。 これはマイコミジャーナルが書いてるような

「Open Handset AllianceやAndroidに賛同する企業は、 共通のプラットフォームを得ることで多くの利点が見込める。 標準化にかける手間や開発費用を削減でき、 その分を新しいサービスの提供や利益にまわせるというわけだ。」

といったことにはならない。 開発自体は(見かけ上)アウトソースできるかもしれないが、 代わりに企業には押し寄せてくるアイデアを集約しコーディネートする仕事が発生する。 つまり企業内で求められる人材の質が変わってくるという事だ。 それは企業に対し新たなる Restructuring (再構築)を促すことになる。

もうひとつはハードウェアに対するソフトウェア(= Android)の圧力が高まることだ。 今までのケータイというのは、 まずハードがあってハードの性能をいかに引き出すかという観点でソフトウェアが組まれる。 まぁプロトコルレベルの要求はあるけど。 でもプロトコル・デザインとソフトウェア・デザインは似て非なるものだしね。

Android はソフトウェア・スタックという設計の根幹に関わる部分を標準化しようという試みだ。 いったんソフトウェア標準が出来上がってしまうとハードウェアはそれに合うように設計せざるを得なくなる。 デバイスの性能競争ではなくソフトウェア・プラットフォーム上のアプリケーションの勝負になってくる。 それは例えば、 全て「ありもの」で組み上げた iPhone や iPod touch なんかを見れば分かるだろう。 ぶっちゃけて言えば、 これはデバイスのコモディティ化である。 この構図に対しキャリアや端末メーカはおそらく反発を強めるのではないかと思う。 長期的には彼らがイニシアティブをとる局面がなくなるからだ。 だから NTT DoCoMo や KDDI は OHA に参画したんじゃないかと邪推している。 私から見れば OHA に参画しない AT&T や Nokia やソフトバンクモバイルのほうが、 なんぼか正直だ。 NTT DoCoMo や KDDI が「獅子身中の虫」にならなきゃいいけど。

(以上、脳内 BGM は笠原弘子さんの「わたしのANDROIDくん」でした)