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明けまして大雪!

明けましておめでとうございます。 関係各位におかれましては今年も何卒ご愛顧のほどよろしくお願い致します。

年末年始は実家の松江市に帰省るのが恒例になっているのだが,皆さんニュースなどでご存知のとおり,どえら大雪に見舞われて大変だったのですよ。 もともと山陰,特に鳥取県は比較的雪の多いところで(東北ほどではないけど)積雪自体はそんなに珍しくないんだけど,全国ニュースになる程の事態になるとは思わなかった。 もちろん雪に備えて除雪車もラッセル車もスタンバってるし,車持ちの人は冬になればスノータイヤやスタッドレスタイヤに履き替えるくらいの備えはしている。 にもかかわらずってところが今回のポイントである。

鳥取・松江両気象台によると,各地の最深積雪量は米子の89cmをはじめ,境港72cm,倉吉58cm,松江56cm,鳥取54cm。 米子に限れば1963年の「三八豪雪」の80cmを超えて観測以来最深らしい(ちなみに気象庁が「豪雪」認定しているのは1963年と2006年の2回しかない)。 今回の大雪は「日本海寒帯気団収束帯」によるものだそうだ。 「日本海寒帯気団収束帯」は大陸から流れ込んできた寒気が朝鮮半島北部の山脈でいったん分断したのち日本海上でぶつかることで大雪をもたらすものだそうで,普通は北陸や東北に向かうんだけど,今回は島根・鳥取両県に挟まれた中海(なかうみ)圏域を直撃したわけだ。 気象衛星の映像を見てもいつもの冬型の筋雲とは違ってるので変だとは思ってたのよ。

ちなみに松江の最深積雪の記録には1971年の100cmというのがある。 当時私は5歳だったのだが,あのときのことはよく覚えている。 だって自分の背より高く雪が積もってるんだよ。 覚えてないわけがない。 松江は島根県の中でも積もりにくい地域なのだが,それでも昔は50cm程度の積雪はよくあったような気がする。 近年はないかな。 2006年の「〇六豪雪」のときも21cmだったそうだし。 (2006年の時は広島のほうが大変だった。 広島市内の積雪こそ17cm程度だったけど,雪に慣れてないものだから,交通が麻痺したりとか)

吹雪 小休止中。庭木が大変なことに

今回のは出雲弁で言う「だんべ」(もしくは「だんびら」)ってやつで,水を含んで重い上にへばりつくような雪質だった。 もともと30日から元日までの3日間の天気予報は「吹雪」だったので,雪が積もることは予想していたが,大晦日になって予測を超えて積雪しはじめた。 もうみるみる積もっていく。

上述したように,山陰両県は積雪に対する備えはそれなりにしているのだが,展開が早すぎて全く間に合ってないようだった。

私の実家では「大晦日はカニ」と決まっていて(私もそれにつられて帰省しているw),生協から配達してもらうのが恒例なのだが,今回はこの大雪のせいで夜の遅い時間にようやく届いた。 大晦日のうちに何がなんでも届けるというので凍えながら頑張ってくれたらしい。 いや,ホンマすまん。ありがとね。

Happy New Year and Snowy Day.

大晦日はそんな感じだったので,元日はどこも出かけないことに決めた。 初詣も年始回りもなし。 甥姪は庭でカマクラとかつくって遊んでいた。 正月なので食料の備蓄は充分あるし(カニもあるしw),引き篭っていても別に問題はなかった。

ただ,オール電化住宅で停電に見舞われたところは大変だったみたい。 カセットコンロと石油ストーブ重要! オール電化が悪いわけではないけど(実際,地震被害の時は電気が一番に回復するらしい),代替手段というか冗長系は確保しておけという教訓にはなったと思う。 実家は既にオール電化にリフォーム済みなので,もし停電になっていたら,こんな呑気な正月ではなかっただろう。 ちなみに(米子にいる親戚に聞いた話によると)今回はガスは大丈夫だったらしい。

(皆さんニュースでご存知と思うが)被害は多岐にわたる。 以下はTVニュースや地元紙で見知った内容。

奥大山のスキー場では表層雪崩に巻き込まれて4人が死亡。 一般客ではなかったのが不幸中の幸いかもしれないが,お気の毒です。 あと屋根の雪下ろし中に転落してお年寄りがひとり亡くなっている。

鳥取県では大山町の国道9号線で車数百台(一時は1,000台)が42時間にわたって立ち往生した。 またこれに救急車が巻き込まれ,患者さんは結局、搬送先の病院で亡くなっている。 この大渋滞については自衛隊が出動して食料や車の燃料の補給等にあたっている。 あと Twitter では「ちょっといい話」が話題になったようだ。 ポプラ GJ! (追加記事。あんまり豪雪ゆわんでくださいw 東北の方とかに申し訳ないから)

島根県松江市では島根半島のいくつかの地域が雪による倒木などで道路が分断され孤立状態になった。 これについても自衛隊が出動してくれたのだが,雪で現場に辿りつけないという事態になり,作業はかなり難航したらしい。 ホンマ,自衛隊の皆さんには感謝だよ。

山陰・米子両自動車道は一時全面通行止め。広島-松江間および広島-米子間の高速バスも運休した。 この高速バスが(遅れることはあっても)運休するというのはまず聞いたことがない。 JR でも特急列車が立ち往生するなどしてかなり大変だったようだ。 しかも復旧の為に出動したラッセル車が脱輪するとか,どんだけの雪だよ。 宍道湖の北側を通る一畑電車も殆どの区間で運休した。 そうそう,米子空港を発着する旅客機も運休が相次いだ。

雪の重みや倒木などで架線が切れたり鉄塔が折れる(!)などの被害があり,山陰両県のあちこちで停電が発生した。 延べ20万戸にのぼるそうだ。 また松江の島根半島側では停電の影響で水が上がらず断水になった所もあったらしい。 寒い中,停電で断水で道も閉ざされてホンマものすごい状況である。 松江市で停電がほぼ完全に復旧するのに2日までかかったそうだ。 (3日以降も引込み線の断線などで停電が続いている住宅などの復旧作業が続いていたようだ)

松江や米子などのコンビニでは食料が「枯渇」する事態になっていた(地元紙の「枯渇」という表現に笑ってしまった。いや,笑いごっちゃないけど)。 雪で商品が配送されないためだ。 その上,米子のコンビニでは停電も食らってるので大変だったようだ。 一方,ホームセンターでは除雪用品とタイヤに巻くチェーンがバカ売れだったらしい。 あのくらい積もるとスタッドレスタイヤなど役に立たない。 スパイクを履くかチェーンを巻くかしないとダメだろう。

小型船を中心に漁船等の転覆・沈没が相次いだ。 4日までに分かっている範囲でも,山陰両県で422隻にのぼるらしい。 こんなのも今まで聞いたことがない。 昼のうちにズンズン積もっていくので対処のしようがなかったのかも知れない。 既に船の引き上げ作業は始まっているが,県では漁船の修復費用を助成する検討を始めたらしい。 とはいえ,船が直るまでは漁にも出れないわけで,その辺の補償をどうするかも問題になるかも知れない。

ともかく被害にあった方にはとんだ正月になってしまったわけで,お見舞い申し上げます。 あと復旧作業にあたられた様々な方には心から御礼を申し上げます。

こういう災害の時は事後の対応が大切。 あと今後のことを考えて体制を見直す必要もあるかも知れない。 今回のような寒気の入り方が今後もありそうなら今の体制ではマズいかも知れない。 また今回は特に国道において初動の遅れが指摘されているが,国交省と自治体がもっと密に連携するような仕組みが必要との指摘もある。 しかし,ただ金をつぎ込めばいいというわけではない。 島根県の人口は71万人ちょっとで,うち松江市(県庁所在地)は19万人ちょっと。 鳥取県の人口は59万人弱で,うち米子市(山陰の商業中心地)は15万人ほど。 しかも年寄りの多い典型的な過疎地だ(島根県の交通事故死亡者の半分以上は老人)。 身の丈に合わないお金を使っても県民・市民がしんどいだけだ(国への依存度が上がればそれはそれで問題だし)。

補償やら体制の見直しやら,これからやることはたくさんありそうである。