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もはやリアル書店で本は「発見」できない

これから書くことは完全に私見で,意見を異にする方もたくさんいらっしゃるだろうことも重々承知の上で書いてみる。 (と予防線を張っておく)

本屋で本を買うのはとても面倒になった。 大型書店は沢山の本があるが,逆に本が多すぎて,本棚を巡って本を探す気にならない。 もし仮に本屋で本を買うなら,入店後まっすぐ検索端末へ行き,検索結果の示す棚へ直行するだろう。 そんな面倒な手順を踏むなら Amazon でポチったほうが早い。 小さい本屋は凡庸なラインナップしかない。 中国書店(地図のラインナップが豊富なことで広島市では有名)のような個性的な本屋はほとんど姿を消した。

本屋ではベストセラー本を平積みし,更に目立つようにポップが飾られているが,ベストセラー作品に全く興味のない私にとっては無駄な情報(ノイズ)である。 本屋大賞とか自滅行動にしか見えない

そもそも本屋に行く習慣がなくなった。 今のところ本屋に行くのは月に2回程度。 それも雑誌を買うためだ。 しかも大抵の雑誌は近所のコンビニで買えるため,本屋に行くのはコンビニで買えない雑誌(たとえばきらら系の4コマ誌とか)を購入する場合に限られる。 仕事に関係する雑誌は定期購読してるので郵便受けに勝手に届けてくれる。 本屋でコンピュータ関連雑誌の棚をみることはなくなった。 天文情報はネットで即座に伝えられるので,天文雑誌も読まなくなった(私の愛読していた雑誌がバブル崩壊で続々休刊してしまったというのも天文雑誌を読まなくなった理由のひとつ。大きな天文イベントの際は稀に買ったりもするのだが)。

それに「文化過疎地」である広島市は本や自体がそもそも少ない。 広島は全国的に見ても本屋は多いほうだし本をよく読む県民性だと言われているが,それでも東京のような都会に比べれば話しにならないほど少ない。 昔は魅力的な本屋がそれなりにあったが,バブル崩壊以後バタバタと潰れてしまい,コンビニの本棚のように売れ筋だけ置く特色のない本屋か量だけは多い大型書店のみになってしまった(古本屋は別)。

以上の理由で私がリアル書店で本を「発見」することはできなくなった。

実は,少し前まで私はリアル書店に対しては多少希望を持っていて

「「ほしい本を買う」なら本屋で買う必然性がない。 Amazon 等で確実に手に入るのだから。 だから本屋が目指すべきは「予定外の本を買わせる」ことだ。 そのためにはジャンルを絞って tail を扱えるようにするしかない」
Tweet より)

と思っていて,そういう方向性であればリアル書店も将来的に生き残れる目があるんじゃないかと思っていた。 しかし実際はそんな奇特な本屋など(少なくとも広島市内に)現れるはずもなく,もう本屋で本を買うことを諦めてしまったのだ。

代わりに「予定外の本を買わせる」(つまり本を「発見」する)場はリアル書店からネットへ移った。 多くの書評・感想がネットに集まるし,出版社や Amazon は私の関心領域や過去の購入履歴からレコメンドを示してくれる(まぁ10発撃って1発当たるかどうかの精度だけど)。 本屋に貼りだされている出版予定リストを見なくても Flinker.jp のような通知機能を持つサービスだってある。 結城浩さんのようにプロモーションに積極的な作家さんから情報を得ることもある。

そういったネット上の情報をフルに利用すれば,かつてリアル書店で味わった「発見」以上の「発見」ができる。 これで必要十分だよね。