「インターステラ―」が意外にも面白かった

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(この記事はもしかしたらネタバレを含んでいますので,好きなオカズを最後に残すタイプの方は読まないほうが賢明です)

いや,実際のところ「インターステラ―」には全く期待してなかったのよ。 だって予告編

『インターステラ―』 予告映像 - YouTube

見ても「面白い!」と思わせる要素なんか何ひとつないし,なによりネットの評価が酷かった。

何が酷いっていわゆる「SF者」が絶賛してるのよ,この映画。 そんなんで観る気になると思う?(いやない!) でもネットの評判に振り回されるのも癪だし,今年はまだ1本も映画を見てないし,年末年始は「妖怪ウォッチ」目当ての餓鬼おっとお子様達でごった返すに決まってるので,今のうちに見ておこうかと思ったのよ。

観た結果は... 面白かった。 予想外に。

なんというか,久しぶりに上質のスペースオペラ第1楽章を観た! って感じかな。 予告編で気になってた,ハリウッド映画にありがちな「近代的「家族」を人質にお涙を頂戴するゴミ映画」でもなかった。 「SF者」が何か薀蓄を垂れてたが, SF の知識は一切不要。 タイムパラドックスとかワームホールとか重力による時間の進み遅れとか,いまどきそんなのはラノベ程度のネタで全然珍しくないし,作り手は当然色々計算して作ってるんだろうけど,見る側はそんなこと全然考える必要がない(てか,見る側に楽屋裏を気にさせるような作品は下種だよね)。

例えば,今回のタイムパラドックスネタはいわゆる「Polchinski のビリヤード」の変奏だろうけど(てか大概のタイムパラドックはこれの変奏だけど),日本ではこれを使った超有名なラノベ作品がある。 つまり「涼宮ハルヒ」シリーズである。 なので,日本人には全然難しくないのだ。

問題は「インターステラ―」が SF ネタのガジェットを積み上げただけのジャンクアートなのか,きちんとエンタテインメントとして成立しているかということだ。 そしてこの作品はきちんとエンタテインメントしている。 これで必要十分だ。

これなら劇場でもう一回くらい見てもいいかなぁ。 いや,見ない(つか見る暇ない)けどね。

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ブラックホールと時空の歪み―アインシュタインのとんでもない遺産
キップ・S. ソーン Kip S. Thorn
白揚社 1997-07

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF) ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い ホーキングとペンローズが語る時空の本質―ブラックホールから量子宇宙論へ カラー図解でわかるブラックホール宇宙 なんでも底なしに吸い込むのは本当か? 死んだ天体というのは事実か? (サイエンス・アイ新書) 量子力学の解釈問題―実験が示唆する「多世界」の実在 (ブルーバックス)

映画「インターステラ―」の元ネタらしい。が,値段お高めで買えないなぁ。

reviewed by Spiegel on 2014/21/07 (powered by G-Tools)