List of opensource - Baldanders.info
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2009-06-24T09:00:00+00:00
バルトアンデルスは連続的な怪物,時間の怪物である。(ホルヘ・ルイス・ボルヘス 『幻獣辞典』より)
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そいつの名は...
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2009-06-24T09:00:00+00:00
2009-06-24T09:00:00+00:00
今回の件に関して一言だけ。
Spiegel
/profile/
<p>
まるで2003年にあった<a href="http://slashdot.jp/it/article.pl?sid=03/05/23/0638238">「日本発のオープンソースはわずか42件」</a>から展開した騒動を思い起こさせる不毛な話で,
巻き込まれるのも面倒なのでここでは黙っていようかと思ったけど,
面白い記事があったので挙げておく。
</p><ul>
<li><a href="http://sourceforge.jp/magazine/09/06/24/0520207">「オープンソース」の二つの意味</a></li>
</ul><p>
内容は「オープンソース」を主題に置いたものとしてはほとんど同意
(<a href="http://sourceforge.jp/magazine/09/06/24/0520207/3">Vz エディタの話</a>とかちょっとクスってなった)。
一点だけ気になるのは
</p><blockquote>
「ちなみに、
「フリーソフトウェア」や「クリエイティヴ・コモンズ」という言葉には、
オープンソースで言えば前者の意味合いしかない」
</blockquote><p>
という括弧書きの部分。
オープンソースには
「法的状態としてのオープンソース」
「開発形態としてのオープンソース」
というふたつの側面があるのに対し,
「クリエイティヴ・コモンズ」には「法的状態としての」という接頭辞しかつかないということらしいが,
これは言いすぎだと思う。
まぁ日本国内に限ればそう言われても仕方のない状態かもしれないけど。
(CC-license 3.0 日本版はどうなってるんだろう)
</p><p>
Creative Commons の目的は Creative Commons (創造性の共有地)を作ることであり,
もっと言えば,
その先にある Free Culture (自由な文化)を実現していくことでもある。
それは,
例えば<a href="http://spiegel.vox.com/library/post/icommons-summit-2008-%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E9%9B%86.html">2008年に札幌で行われた iCommons Summit</a> を見ても分かる筈だ。
決して「法的状態としての Creative Commons」だけではない。
上の記事の言い回しを借りるなら(開発形態では限定的過ぎるので)「活動形態としての Creative Commons」もあるのである。
</p><p>
と,
ここで終わっちゃうと単なる揚げ足取りになってしまうので,
今回の件に関して一言だけ。(Tumblr でも書いたんだけど)
</p><p>
今回の様子を(Tumblr 経由でだけど)見ていると,
オチもつけず皆ボケつづけるだけのコントを見ているようで,
不毛な気分になってしまう。
そもそも梅田望夫さんの言う「オープンソース」や「オープンソース的」なるものが,
本来の意味で言うオープンソースと異なるのは分かりきった話で,
それを「あんたの言う「オープンソース」はオープンソースじゃない」と拒絶・排除してしまった時点で,
もう話が横滑りしてしまっている。
</p><p>
名前がないなら作ればいいのである。
議論というのはお互いが共通の土台の上に立たなければ積み上がっていかない。
お互いがお互いの足をすくってるかのような状況じゃ有意味な議論は望むべくもない。
</p><p>
個人的な印象では梅田望夫さんの言う「オープンソース」や「オープンソース的」なるものは,
Wikinomics の考え方に近い。
Wikinomics は「ピアプロダクション」や「マスコラボレーション」や「集産主義から集合活動へ」といったキーワードで形作られるもので,
そういった観点で梅田望夫さんの文章を「翻訳」していけば(細かい部分はともかく)それほどとんでもないことを言っているわけではない。
(立ち位置によって見える景色の違いというのはあるかもしれないけどね)
</p><p>
2003年のあの騒動を傍観していた立場から言えば,
たとえ比喩的表現であっても「オープンソース」なんて名前を迂闊に使わないことだろうね。
OSD 原理主義みたいなのにツッコまれてもウザいだけだし。
そもそも
<a href="http://www.yamdas.org/column/technique/open_source_licenses_are_obsolj.html">“Open Source Licenses are Obsolete”</a>
なんていわれている時代に,
いまさらそんな議論かよ! と思ったりもするのだが。
</p><p>
しかし,
まっ,
2003年当時からほとんど進歩してないなんて,
本当に日本は「残念」な国なのかもしれない。
</p>
<div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/Free-Culture-%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B7%E3%82%B0/dp/4798106801%3FSubscriptionId%3D0G91FPYVW6ZGWBH4Y9G2%26tag%3Dbaldandersinf-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4798106801"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/519QAE3KNFL._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/Free-Culture-%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B7%E3%82%B0/dp/4798106801%3FSubscriptionId%3D0G91FPYVW6ZGWBH4Y9G2%26tag%3Dbaldandersinf-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4798106801">Free Culture</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=baldandersinf-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" border="0" alt=""/></dt><dd>ローレンス・レッシグ</dd><dd>翔泳社 2004-07-23</dd><dd>評価<abbr class="rating" title="4"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/G/01/detail/stars-4-0.gif" alt=""/></abbr> </dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798102040/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4798102040.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="コモンズ"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798115002/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4798115002.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="CODE VERSION 2.0"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/475710152X/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/475710152X.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="クリエイティブ・コモンズ―デジタル時代の知的財産権"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4791762045/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4791762045.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="表現の自由vs知的財産権―著作権が自由を殺す?"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757102453/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4757102453.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか"/></a> </p><p class="gtools">by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a> , <abbr class="dtreviewed" title="2009/06/24">2009/06/24</abbr></p></div>
<div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%9C%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%83%BB%E7%94%9F%E7%94%A3%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%B8-%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%97%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88-%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BBD%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%BA/dp/482224587X%3FSubscriptionId%3D0G91FPYVW6ZGWBH4Y9G2%26tag%3Dbaldandersinf-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D482224587X"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51MO5zFuNzL._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%9C%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%83%BB%E7%94%9F%E7%94%A3%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%B8-%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%97%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88-%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BBD%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%BA/dp/482224587X%3FSubscriptionId%3D0G91FPYVW6ZGWBH4Y9G2%26tag%3Dbaldandersinf-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D482224587X">ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=baldandersinf-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" border="0" alt=""/></dt><dd>井口 耕二 </dd><dd>日経BP社 2007-06-07</dd><dd>評価<abbr class="rating" title="4"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/G/01/detail/stars-4-0.gif" alt=""/></abbr> </dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774130818/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4774130818.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ソーシャル・ウェブ入門―Google、mixi、ブログ…新しいWeb世界の歩き方"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/486276035X/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/486276035X.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="クラウドソーシング 世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062136597/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4062136597.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="フラット革命"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822246078/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4822246078.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ヒトデはクモよりなぜ強い 21世紀はリーダーなき組織が勝つ"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798116211/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4798116211.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="クラウド化する世界"/></a> </p><p class="gtools">by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a> , <abbr class="dtreviewed" title="2009/06/24">2009/06/24</abbr></p></div>
OSD に準拠した IPA フォント Ver.3
tag:Baldanders.info,2009-04-21:/blog/000440/
2009-04-21T09:00:00+00:00
2009-04-21T09:00:00+00:00
4/20 にリリースした IPA フォント Ver.3 のライセンスが面白いことになっている。
Spiegel
/profile/
<p>
4/20 にリリースした IPA フォント Ver.3 のライセンスが面白いことになっている。
</p><ul>
<li><a href="http://www.ipa.go.jp/about/press/20090420.html">プレス発表 IPAフォントの新版を、新しいライセンスにより配布開始 ~よりオープンな日本語情報処理基盤の構築に向けて~</a></li>
<li><a href="http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/04/20/23206.html">「IPAフォント Ver.3」公開、改変も可能なライセンスに </a></li>
</ul><p>
<a href="http://ossipedia.ipa.go.jp/ipafont/">ダウンロードページ</a>にライセンス(IPA Font License Agreement v1.0)の全文が載っている。
また,
<a href="http://ossipedia.ipa.go.jp/ipafont/">ダウンロードページ</a>の以下の記述によると,
このライセンスは OSD (Open Source Definition)に準拠しているらしい。
</p><blockquote>
「IPAでは2003年末よりIPAが全権利を所有する「IPAフォント」を公開して参りました。
今般、IPAフォントを、日本語を扱う情報処理システムのための基盤として多くの方々に活用していただけるよう、フォントのフォーマットとしてデファクトスタンダードである OpenTypeフォントフォーマットを採用し、「IPAフォント(Ver.3)」としてリリースいたします。
また、フォントに関するオープンな開発体制の構築を可能とし、また、オープンソースライセンスとしての国際的な慣習にも整合性を持つライセンス、“IPAフォントライセンス”、を新たに作成し、このリリースに適用します。
同ライセンスは2009年4月1日に、Open Source Initiative(OSI)による「オープンソース定義(OSD)」に準拠したものとしてOSIより認定を受けております。<br/>
IPA releases new version (Ver.3) of IPA Font of which IPA owns all rights and has been providing since 2003.
This new version has adopted OpenType format so that various users can enjoy its high quality Japanese character set on various platforms.
In addition to the change of the font format, IPA has developed a new end user license, “IPA Font License”, and has applied it to the new release.
The new license is intended to enable establishing open developing environment for fonts and has been approved as one of the Open Source Definition (OSD) compliant licenses by Open Source Initiative (OSI).」
</blockquote><p>
素晴らしい! IPA フォントについては,
以前のバージョンでも再配布については認められていたものの,
改変等については許可されていなかったんだよね。
いや,
これは面白い。
</p><p>
ちなみに IPA フォント Ver.3 は JIS X 0213:2004 に準拠している。
</p>
「「それは仕様です」脳の恐怖」
tag:Baldanders.info,2007-02-11:/blog/000279/
2007-02-11T09:00:00+00:00
2007-02-11T09:00:00+00:00
仕様か障害かという問題は難しいが,オープンソースがそれを解決できるとは思えない。
Spiegel
/profile/
<p>
ご本人自ら「あまり面白くないネタ」と書かれているものに反応するのもあれだけど:
</p><ul>
<li><a href="http://d.hatena.ne.jp/ced/20070211/1171163890">「それは仕様です」脳の恐怖</a></li>
</ul><p>
仕様か障害かという問題は難しいが(個人的にはユーザの直感的な操作が阻害されるような挙動は全て欠陥(Defect)だと思うけど,
それを言っちゃあ世の中のほとんどのソフトウェアは欠陥商品になってしまうので,
そこまでは言わない),
オープンソースがそれを解決できるとは思えない。
</p><p>
ここでは何度も書いてるけど FOSS のユーザには大きく2種類あって,
ひとつはいわゆる「プロシューマ」でもうひとつは「消費者」。
上で述べた件は「プロシューマ」に対しては意味がある。
っていうか「プロシューマ」は現実にそれをやっている(と思われる)集団だ。
問題はその外部にいる名もない「消費者」が「プロシューマ」集団に対して報告する(あるいは意見を上げる)方法はあるのか,
ということだ。
そして「プロシューマ」に対して「消費者」は圧倒的に多い。
</p><p>
プロプライエタリな製品を作ってるサポートの悪い企業から「それは仕様です」と返されるのと同じように,
閉鎖的な FOSS コミュニティに対してうっかりド素人が質問しても「ソースコードも読めないやつが!」とか「FAQ 読め!」とか言われるのがオチだ。
ならば予想される結末はどちらでも同じで,
結局は内部(プロプライエタリ製品ならそれを作ってる企業等で FOSS ならそれに関わるプロシューマ集団)の問題に帰着する。
</p><p>
イノベーションというのは常に作り手と利用者との関係性の中でしか生まれない。
何故なら,
ある技術や機能に価値があるかどうかを最終的に判断するのは(作り手ではなく)利用者だからだ。
ソフトウェアが「永遠にβ版」つまり完全な製品ではないのは,
作り手も利用者もそこにまだ未知の可能性があると期待しているからだ。
「それは仕様です」脳ってのは要するに本来あるはずだった(あると思ってた)「未知の可能性」を作り手も利用者も諦めてしまうことだ。
で,
諦めた瞬間にそれはソフトウェアではなくなる。
「ソフトウェアの寿命」ってやつだ。
</p>